最近副業解禁の流れが世間的にも加速しているというお話は以前も記事にさせていただきました。日本は以前より新卒採用一括採用×終身雇用型の就業体型・雇用体系が一般化されており、それがまだまだ一般的な形になっています。転職への垣根は年々下がっていますが、基本的には法人側としては新卒で雇った人材については終身雇用をベースに考えているのが現状です。

しかし今社会の動きがシェアリングエコノミーや副業、パラレルキャリアなどがうたわれる中、法人側として決断が求められる時期なのかも知れません。そこで今回は法人側から見た社員の副業を解禁するべきか否か、メリットデメリットを整理ながらお伝えしたいと思います。

法人が社員の副業を解禁するデメリット

業務参加への体調面での支障

こちらはよくメディアで出てますね。なので、詳しくは触れませんが、業務時間以外に副業を行うことによって、寝不足になったり、土日休まなかったりということはわかりやすく考えられます。

社員の帰属意識の低下

社員の帰属意識の低下があげられます。社員で働いている側の人間ではそこまで意識はしないと思いますが、企業の経営者は非常に気にします。新卒採用を行う理由の大きな一つとして、初めて社会にでる人間を自社に抱え込むことにより、いい意味でも悪い意味でも染める・依存させることを明確に狙っています。簡単に言うと「俺にはここしかない」「俺はここで生涯働くんだ」という意識をもってもらうことを願っています。

しかし副業を解禁し、他の世界を見たり、業務に触れたり、収入が増えたりすると、今の会社に対する執着心は減っていきます。つまり、人材のパフォーマンスや定着率が下がるリスクがあります。

仕事をこっそりと横取りされるリスク

正直なところこれはあると思います。もちろん自社と同業の副業をまるまる認める会社は少ないと思いますが、会社のリソース(リストや取引先顧客)を活用して、本来であれば自社で請け負うことによって会社の利益が上がるところを、自分の副業の方で仕事を受注するなどの行動を取る可能性は非常に高いです。100万の仕事をとってきて上司に少し褒められるより、自分で80万で受けて60万で外部に委託して、20万儲けたほうが嬉しいですからね。

企業側の気持ちは弱気な彼氏と一緒?

企業側のデメリットはこの他にも非常にあると思います。もちろん税制や管理上のリスクの問題などなどもたくさんあると思います。でも極論、企業側の本音はちょっと弱気な彼氏みたいな感じだと思います。自分が初めてであって欲しい、よそ見しないで欲しい、業務時間中以外も仕事のことを考えてほしい。そして、いつも他の人に取られるんじゃないかビクビクしている割に社員を喜ばせようとはあまりしない。そんなところが私の正直な感想です。

法人側が社員の副業を解禁するメリット

早いタイミングで実現できると広報と採用の武器になる

いま世間で働き方革命やらなんやらといろいろな企業の取組がそれこそ日経新聞レベルにも掲載されているのはご存知かと思います。ここで、社員が働きやすい制度の設計や副業の解禁や補助などを大々的に行えばロート製薬やサイボウズの用にメディアに取り上げられるでしょう。そうすることで、「新しい会社」「社員が働きやすい会社」「時流にあった会社」と求職者からは比較的に好意的な印象を受けるでしょう。そうすることで、今まで視野に入っていなかった学生や中途転職希望者から目にとまる可能性も高まります。

社員の成長・経験の加速

日本は新卒採用×ジョブローテーション×終身雇用で、専門職を雇う欧米系採用ではなく、ゼネラリストとしての成長をHR戦略として置くことが多いです。つまり社内の様々な部署をまわり、幅の広い経験と知識を得て、将来的には管理職になって欲しいと。そう考えた時に自社の壁を一歩飛び出し、社外でもがく経験は自社の人材としても非常に役に立つと思います。今まで企画開発やマーケティングしかしなかった人間が、業界外の副業で営業をしながら顧客の声を直接聞く価値を感じたり、仕入れや製造に触れることで、現職にも役立つことは間違いないでしょう。

企業に新しいナレッジが注入される

ずーっと同じ会社で、同じ業務を行っている人だけの部署ではなかなか新しいアイディアは生まれにくいと思っています。もちろんその専門業務に対する知識は非常に重要ですが、当たり前になりすぎると人は疑問に思わなくなるからです。そんななか部署の人間がそれぞれ様々な業種で副業することに酔って、業務改善レベルの話から、新しい商品のアイデアやPRの方法などなどシナジーが生まれてくるでしょう。

中小企業・法人こそ副業を解禁していくべき

働く側の人間の流れとしては副業の流れは非常に強まっています。それは間違いありません。社員は少しづつ様々な方法で副業を始め、確定申告や住民税の申告をしてバレないように上手くやるでしょう。そうするとどうでしょう。それこそ今回業界したデメリットばかりが加速され、メリットはほとんど出てくることはないでしょう。(勝手に副業して得た知識を社内で話すことなんてないでしょうから)

いま、様々な働き方が提唱されている中、企業に求められるものは昔と行っていることを強く意識するべきだと思います。昔のように新卒で採用して、初任給は安く、少しづつ昇給して、定年まで働かせる文化では少子高齢化が進むなか優秀な人を雇用し続けることは難しいでしょう。

副業解禁にあたって、法人側の度量がまず試されるのは間違いありませんが、副業解禁したあとも自社が社員に愛され続ける努力(待遇・制度・社風・ブランド・福利厚生・業務内容etc)は必須になってくるでしょう。

でも、今対応しないと中小企業は本当に人が採用できなくなる&定着しなくなります。